新型コロナウィルスで見えたもの

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新型コロナウィルスで世の中で大騒ぎになり、今まで見えていなかったものが見えるようになった事がいくつかある。それを書き留めておこうと思う。

人生は不要不急なのか

不要不急の外出は控えようと言われるが、何が不要不急で、そうでないかの判別を考えてみると、極論だが、人生そのものが不要不急だ。もちろん生物として最低限の衣食住は必要だが、それ以外の人間的活動は、不要不急なのだ。ただ、これは極論だ。ウィルスという生命を脅かす存在と対峙している場面として不要不急といっているので、「人間的活動を一時的にストップしましょう」と言ってるのだ。

日本人は横並び意識が強い

誰でもPCR検査受けられるようにするべきかどうかの議論が専門家の間でもいつまでも平行線だが、これは言う人の立場によって答えが変わってくる。なぜか。それは、日本人の国民性が原因だ。日本は新型コロナウィルスの感染状況の実態がよくわかっていない。人口に対する死亡率が低いことはわかっている。では感染者数はどうなのか。PCR検査数が少ないのでよくわかってないというのが事実だろう。
それは、日本での新型コロナウィルスの型が、死亡率の低いタイプだからだろうか、それとも感染者数が少ないからなのだろうか。

PCR検査抑制派の意見としては、ウィルスの実態はわからないが、少なくとも死亡数が少ないのだから、PCR検査を増やす目的がどこにあるのか。今現在でも国民全員が自粛状態だから、検査を増やしても感染者の行動はあまり変わらないので、死亡数は減らないし、感染者数も減らない、というものだ。

PCR検査増加派の意見としは、感染者をいち早く見つけて隔離するのが当たり前で、気になった人は誰もがPCR検査を気軽に受けて、陽性であれば自粛し、陰性であれば社会活動を行うという方法で感染拡大を封じ込められるというのが世界の常識だ、というものだ。

要するに、現状では、日本人は自主的に自粛状態にあるので、PCR検査をするのは無駄な負担だが、本来は国民は自由に活動するもので、PCR検査によって感染者を強制的に隔離する必要が出てくるという順序なので、日本の国民性が特殊であることが、この議論をややこしくしているのだ。

また、日本で感染者が少ない(という前提で)理由、いわゆるファクターXが、日本人の衛生意識の高さだという話があるが、実は世界比較で高いのはマスク着用率だけで、手洗いやうがいはそれほど高くないそうだ。つまりマスクだけによって感染拡大が抑制されている可能性がある。また、なぜ日本人がマスク着用率が高いかについて、人に感染さないようにではなく、人が着用しているのに自分だけしていないと後ろめたいからという理由だそうだ。

つまり、日本人の横並び意識が、マスクを着用させ、新型ウィルス感染拡大を防止させ、PCR検査の必要性を不明瞭にさせている、という事だ。

日本人は、国民性として横並び意識が強いのだ。

アウトプットの質が低いのは日本的組織の論理が理由

ビジネス書などで、今まで様々な考え方や物事の整理のしかた、データの分析手法が存在することを見てきたが、今回の新型コロナウィルスに関する発表を見てみると、かなり泥臭いやりかたに見える。

感染者数の推移や今後の予想など見ても、大元の収集データが誤っていたり、予想についても過去のトレンドを単に未来に延長しているだけ(数理モデル的に)で、期間内に発生する様々なイベント(国の方針発表や国民の行動変容など)を全く無視してたりする。

正直、日本のトップが集結した結果としてはあまりにも泥臭い。それは、おそらく組織の縦割りの問題と、専門家が政治家の中にいない問題によるものだろう。

どんなにすばらしい考え方や知見、ノウハウがあっても、それを承認する役職者がいなければ日の目を見ることはない。では役職者は数あるアイデアや分析結果からどのような基準でどれを採用するのか。

現実的には、組織の力関係や人間関係、組織の利益などの力学が作用してしまう悲しい現実があるはずだ。

そうでなければ日本の叡智の集積結果があのような稚拙なものになるはずがない。

日本の会社組織内の組織の論理の良い部分と悪い部分は、そのまま政治のよい部分と悪い部分にまる写しになっているのが、今回よくわかった。

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